Blucor — BlancAI Inc.

2026年 Q2(4〜6月)
開発・事業優先順位

何に集中し、何をやらないか。4月から6月の9週間で「月100ポジション処理能力の証明」と「トラストスコアの実装」を達成し、2026年12月のSeries Aへの道筋を確定させる。

作成日: 2026年4月7日
対象: 経営陣・意思決定関係者
目的: 全員の優先順位認識を一致させる
Section 0

なぜ今、優先順位を明示するのか

現在地と目的地を確認する。

ARR(現在)
$170K
MRR $12,700
残高 / バーン
$400K
月 $40K 消費 → 残10ヶ月
黒字化
2026年7月
残り +$6K MRR で達成
Series A クローズ
2026年12月
$2M ARR / $80M pre-money
調達額
$10〜15M
プロセス開始: 2026年9月
Series Aまで
約9ヶ月
4月〜12月

この9ヶ月で「採用プロダクトとして機能することの証明」と「投資家が信頼できるデータの蓄積」を同時に達成しなければならない。エンジニアリングはHiromu一人。営業クローズはKeitaが主軸。リソースは限られている。何に集中するかを明示しなければ、9ヶ月後に何も証明できていないままSeries Aを迎えるリスクがある。

Section 1

4〜6月に達成しなければならないこと

以下の5点は、2026年12月のSeries A調達の「前提条件」として投資家に提示している数字・機能と直接連動している。

KPI 現状(4月初旬) 目標(6月末) Series A条件との関係
MRR $12,700 $25,000以上 7月黒字化 → Dec $2M ARR ペースに乗る
採用フロー自動化 4/10 完成 10/10 完成 月100ポジション処理能力の証明
トラストスコア 未実装 3層すべてLive デックに「Trust Score live = Series A close」と明示
タレントプール 3,000名 Indeed API連携後・拡大中 データ資産 = 競合優位の源泉
HP(blucor.ai) 未リリース 本番稼働 オーガニック流入からのMRR貢献開始
Section 2

絶対やらないこと

以下は「後回し」ではなく、このフェーズではやること自体が間違いという判断。いかなる理由があっても4〜6月は着手しない。

1
Phase 2(WorkHistory API)の設計・開発
やるべき時期: Series B前後(2028年以降)

WorkHistory APIとは、Blucorのタレントプールデータを外部企業(雇用主・不動産・金融機関)にAPIで提供するビジネスモデルである。投資家への中長期アップサイドとして説明しているが、現在のタレントプール規模(3,000名)では市場価値がない。

EquifaxのWork Numberが年間$500Mを売れているのはデータスケールがあるから。Blucorが同じことができるのはタレントプールが最低でも10万人を超えてから。今APIを開発しても売り先がない。

リスク

Hiromuの開発リソースが分散し、4月末の「フロー8/10完成」という公約が達成できなくなる。

2
Phase 3(信用インフラ・Trust Scoreの金融サービス転用)
やるべき時期: タレントプール10万人突破後、法的整理完了後

ブルーカラーワーカーのトラストスコアをローン審査・賃貸審査・クレジットスコアの代替として使う構想はBlucorのPhase 3であり、投資家へのビジョンとして語っている。しかしこれはあくまでビジョン。今のフェーズで設計・着手する理由は何もない。

FCRA(公正信用報告法)、ECOA(機会均等信用法)等の規制整理だけで数ヶ月かかる。

リスク

未来の夢に今の現金とエンジニアリング時間を消費し、黒字化・Series A両方に間に合わなくなる。

3
求職者向けアプリ(career.blucor.ai)の本格開発
やるべき時期: ARR $1M超・タレントプール3万名超の段階

求職者専用アプリは将来的に重要な投資になりうる。しかし今のフェーズは雇用主側(B2B)でMRRを積み上げることが最優先。

B2B側の方程式が証明できていない段階で求職者向け製品に投資することは、2つの顧客セグメントを同時に解くという最も難しい問題を自ら作り出すことになる。現時点の求職者接点は「Hopeからのアウトバウンド電話」で十分機能しており、この方式の強化が先決。

リスク

開発工数の分散。Seed段階では一方のセグメントへの集中が生存条件。

4
エンタープライズ専用カスタム機能の開発
対応方針: 3社以上が同じ課題を言った機能のみ実装

Daikin・Itochu・TTSから個別の機能追加要望が出てくる可能性がある。これに個別対応することは、SMBにも展開できない「受託開発」化を意味する。

Blucorの競争優位は「同一プロダクトをSMBからエンタープライズまで横展開できること」にある。1社のための機能を作ると、その分だけプロダクトが複雑化し、他社への展開コストが上がる。顧客要望はヒアリングするが、実装するのは複数社に共通する課題の場合のみ。

リスク

プロダクトの分岐・複雑化。スケールするプロダクトとスケールしない受託開発の境界線を越えてしまう。

5
営業自動化システム(CRM連携・AIコール自動化)の開発
やるべき時期: 2026年7〜9月(ロードマップPhase 3)

自動化とは「現在うまくいっている手動オペレーションを人間なしで再現すること」。うまくいっていないプロセスを自動化しても間違いを大量生産するだけ。

今のフェーズは、Keitaが手動でやっている営業プロセスの中で「何が刺さっていて何が刺さっていないか」を明確にする期間。その結果を持って7〜9月に自動化設計に入る。

リスク

間違ったプロセスの高速化。学習フェーズをスキップすると、後からの修正コストが非常に高くなる。

6
海外市場への展開検討(日本・メキシコ以外)
やるべき時期: Series A後・ARR $2M達成後

米国ブルーカラー採用市場での「方程式」(誰に・何を・いくらで・どのように売るか)がまだ完全には証明されていない。この段階で他の地域市場に目を向けることは、現在の市場での集中度を下げるだけ。

なお、メキシコはBPO(電話オペレーター)コスト削減のための活用であって市場開拓とは異なる。これは継続する。

リスク

1つの市場で成功する前に複数市場に広げると、どこでも浅くなる。Seed段階での市場分散は致命的。

7
Miraの独立機能拡張・ブランド強化
対応方針: 採用後チェックインはHopeの一機能として継続

投資家向けナラティブ上、「Mira」という固有名詞は廃止し、採用後チェックインもHopeの機能として一本化する方針が確定している。これはデック全体の一貫性を保つための判断。

HopeとMiraの2製品体制でマーケティング・営業・開発のリソースが分散することを防ぐ。採用後チェックイン機能はHopeの一機能として引き続き強化するが、Miraとして独立したロードマップは作らない。

リスク

投資家ナラティブの混乱。「Hope一本」で語ることがデックと実態の整合性を保つ唯一の方法。

Section 3

やること:売上目標達成のための集中領域

Section 2で生まれたリソースを、以下3領域に全集中させる。

1

10ステップ採用フローの完成

主担: Hiromu(開発) / 補: Keita(Indeed API申請)

Blucorが「月100ポジション処理できる」ことを証明するための最重要開発課題。Series Aデックに「April 30: 8/10 live → July 2026: 10/10 automated, 100 positions/month」と明記しており、これは投資家への約束である。

# ステップ名 内容 状態 期限
01 Outreach 候補者へのアウトバウンドリーチ 完成
02 Hope Call AIによる電話スクリーニング 完成
03 Scoring スクリーニング結果のスコアリング・ランキング 完成
04 Hope Check-in 採用後フォローアップ(Day1/Week1/Month1) 完成
05 Scheduling 面接日程調整の自動化 開発中 4月30日
06 Feedback Loop 不採用理由の学習・候補者の再提案 開発中 4月30日
07 Fee Collect 成果報酬の自動請求・回収 開発中 4月30日
08 JD Polish 求人票の自動最適化 開発中 4月30日
09 Indeed API 求人一括掲載の自動化 未着手 5月中旬
10 Contract Auto 契約手続きの自動化 未着手 5月末
4月30日: Step 1〜8完成(8/10)  ·   5月末: Step 9〜10完成(10/10)  ·   7月以降: 月100ポジション処理能力 稼働
緊急対応 — Keita主担 Step 9(Indeed API)の前提となる Indeed Partner API申請は4月中旬がデッドライン。申請から承認まで数週間かかるため、今すぐ着手しないと5月の完成が物理的に間に合わない。Hiromuではなくことがなく、Keitaが主担で即日対応する。

なぜこれが売上に直結するか:Step 7(Fee Collect自動化)が完成すると成果報酬の回収漏れと遅延がなくなる。Step 9(Indeed API)が完成するとポジション開拓コストが下がりタレントプール拡大速度が上がる。10/10完成時点で「月100ポジション = MRR $100K以上の処理能力」が生まれる。

2

3層トラストスコアの実装

主担: Hiromu(開発) / データ設計確認: Keita

トラストスコアは「Blucorのデータがリアルタイムで生きている」ことを証明する仕組みであり、競合との差別化の核心。現在「未実装」の状態。デックには「Trust Score live = Dec 2026 Series A closes」と明示しており、これが調達条件の一つ。

Layer
名称
データ内容
更新方法
最高価値L3
Behavioral Trust
返答率・出社率・定着率
採用プロセスへの参加実績から自動蓄積。候補者の作業ゼロ。
検証済L2
Credential Trust
就労資格・バックグラウンドチェック・ライセンス保有状況
初回確認時に登録。事実ベース。変更時のみ更新。
基盤L1
Preference Data
希望勤務地・職種・シフト・希望時給
Hopeが毎月自動更新。候補者の作業ゼロ。

L3が最も価値が高い。「この人は面接に来るか」「入社後に定着するか」という予測に直結するデータであり、IndeedにもLinkedInにもリクルーターにも存在しない。これがBlucorのデータ資産の核心。

# 実装内容 難易度 目標期限
L1 Preference Dataの月次更新 低 — 既存Hope会話フローに確認を追加 5月上旬
L2 Credential Trustの構造化登録 中 — 外部連携(Checkr等)の費用対効果確認要 5月中旬
L3 Behavioral Trustの自動蓄積 高 — 採用データの構造化・スコアリングロジック設計が必要 5月末〜6月

なぜこれが売上に直結するか:トラストスコアが機能すると「スコアの高い候補者から先に面接する」という雇用主の判断精度が上がり、Blucorへの依存度(≒継続率)が高まる。さらに「生きているデータ」という差別化ポイントをプロダクトとして可視化でき、投資家への証拠になる。

3

HP(blucor.ai)のリリースとオーガニック流入の立ち上げ

主担: Keita(コンテンツ確定) / 実装: 開発チーム

現在の顧客獲得はKeitaのコールドコール・紹介・ネットワークが主軸。これはスケールしない。HPからのオーガニック流入を6月末までに軌道に乗せることが、7月以降のMRR加速の前提条件。

確定済み(実装待ち) Hero H1: "Fill unfillable roles in 2 weeks. 7% fee, not 30%."
Hero Sub: "Our AI agent reaches candidates no job board or agency ever will — and delivers them final-interview ready."
CTA(主): Book a Demo(cal.com常時表示) ·  CTA(副): Start for $300

確定ページ構成(上から順):
ナビ → Hero(信頼一行+ロゴカルーセル) → Hiring Challenges → Solution(Hope) → Why Hope(4軸)→ Candidate Reviews(19件確定済) → Case Studies → Security → FAQ → Bottom CTA

現在のブロッカー — Keita対応 Case Studies各社の実績数字・Hiring Managerコメントが未確認。掲載企業(Twin City Fan / Original Pancake House / Geomet Recycling / 4社目)の数字とコメントをKeita確認後に渡すことがHP完成の最短経路。また4社目の正式英語社名も要確認。

AEO(AI検索最適化)の同時実施:ChatGPT・Perplexity等のAI検索で「AIブルーカラー採用」と検索したときにBlucorが出てくる状態を作る。追加コストはほぼゼロでHP実装時に同時対応できる。llms.txt設置・FAQの充実・スキーママークアップの3点を実施。

Section 4

売上目標とロードマップの接続

月次MRR目標と、それを達成するための主な根拠。

MRR目標 主な根拠
4月末 $18,000+ Daikin trial継続($2.5K)/ TCF価格交渉クローズ / Step 7 Fee Collect稼働
5月末 $22,000+ Indeed API稼働 → ポジション増加 / トラストスコアL1-L2稼働 / HP流入開始
6月末 $28,000+ フロー10/10完成 / トラストスコアL3稼働 / HP経由新規SMB獲得
7月 黒字化 月次コスト $40K との均衡。MRR $18〜19K が損益分岐点。
9月 $60,000+ Closer 2名体制(7月前倒し)/ 営業自動化Phase 3稼働 / Daikin 250P移行
12月 $166,000($2M ARR) Series A調達条件。プロセス開始は9月。
4〜6月が遅延した場合の影響 4〜6月で「月100ポジション処理」「トラストスコアLive」「HP流入軌道」が整えば、7〜12月の成長加速(Phase 3:営業自動化・Closer2名体制)が機能する。4〜6月の開発が遅延すると、7月以降のすべてが後ろにずれ、Series Aタイムラインが崩壊する。
Section 5

この場で合意を取り付けたいこと

以下5点について、YES / NO / 確認事項を決める。

1
開発リソース(Hiromu)の集中先を確定する
4〜6月のHiromuの開発時間は「フロー Step 5〜10の完成」と「トラストスコア3層の実装」の2点のみに集中する。これ以外の開発依頼は7月以降に持ち越す。
決断: YES / 例外事項があれば明示
2
Phase 2・3・新規エンタープライズ機能を議論のテーブルから外す
WorkHistory API・信用インフラ・求職者アプリ・エンタープライズ専用機能は6月末まで社内議論のテーブルに乗せない。顧客要望として記録はするが、実装の意思決定は持ち越す。
決断: YES / 懸念があれば理由を聞く
3
Indeed Partner API申請を今週中にKeitaが完了させる
Step 9(Indeed API連携)の前提となる申請は4月中旬がデッドライン。承認待ち期間を考えると今すぐ動かなければ5月の完成が間に合わない。
担当者確定 / 期日確定(今週中)
4
HP Case Studies用データをKeitaが今週中に整理して渡す
Twin City Fan / Original Pancake House / Geomet Recycling / 4社目の実績数字・Hiring Managerコメント・4社目の正式英語社名。これがHP完成の最短ブロッカー。Candidate Reviews 19件は確定済み。
着手日確定 / 渡し先確認
5
営業プロセスのボトルネックを4〜6月で記録・整理する
営業自動化の設計は7月以降。今の期間は、Keitaが行っている手動営業の「何が刺さっていて何が刺さっていないか」を記録する。7〜9月のPhase 3(営業自動化)設計の入力データになる。
記録方法の確定 / 記録担当の確定